物理的な負担による原因

ぎっくり腰は、腰に急な負担がかかることで発症することが多い。

• 重いものを持ち上げる動作
  • 中腰で荷物を持ち上げると、腰に過剰な負荷がかかり、筋肉や椎間関節にダメージを与える。
  • 「前かがみの状態でひねる」動作が最も危険。
• 急な動作や無理な姿勢
  • くしゃみや咳をした際の衝撃で腰の筋肉が急激に収縮し、痛みが生じる。
  • スポーツや仕事中に急に姿勢を変えたときに、腰の筋肉や関節に負担がかかる。
• 長時間同じ姿勢（デスクワーク・立ち仕事）
  • 同じ姿勢を続けることで血流が悪化し、筋肉が固まりやすくなる。
  • 立ち仕事の場合は、腰にかかる負担が分散されず、疲労が蓄積しやすい。

生活習慣・環境要因

ぎっくり腰は、日々の生活習慣や環境によっても引き起こされます。

• 姿勢の悪さ
  • 猫背や反り腰の人は、腰への負担が増え、ぎっくり腰になりやすい。
  • 片足重心やソファにだらっと座る姿勢も影響する。
• 運動不足
  • 適度な運動をしていないと、腰周りの筋肉が衰え、突然の負荷に耐えられなくなる。
• 体重増加（肥満）
  • 体重が増えると腰への負担が増加し、筋肉や関節に過度なストレスがかかる。
• 冷え
  • 冬場やエアコンの風が直接当たる環境では、筋肉が硬直し、ぎっくり腰を引き起こしやすくなる。
  • 睡眠不足・疲労の蓄積
  • 睡眠が不足すると筋肉の回復が遅れ、腰の痛みや疲労が溜まりやすくなる。

筋肉・関節・靭帯の問題

腰部の筋肉や靭帯、関節に異常が起こると、ぎっくり腰を引き起こしやすくなります。

• 筋肉の疲労と柔軟性の低下
  • 動不足によって筋肉が弱くなり、腰を支える力が低下する。
  • 筋肉の柔軟性が低下し、負荷に耐えられなくなる。
• インナーマッスル（深層筋）の衰え
  • 腹筋や背筋の深い部分にあるインナーマッスルが弱ると、腰の安定性が失われ、ぎっくり腰になりやすくなる。
• 関節のゆがみ・椎間関節の捻挫
  • 日常のクセ（足を組む、片足に重心をかけるなど）により骨盤や背骨が歪むと、関節や筋肉に負担がかかる。
  • ぎっくり腰は、特に「椎間関節の捻挫」が原因で発生することが多い。
• 靭帯や筋膜の損傷
  • 無理な動作で腰の靭帯が微細な損傷を受けると、炎症が起きて痛みが発生する。

内科的な要因

ぎっくり腰は、筋肉や骨だけでなく、内科的な要因が影響することもあります。

• ストレス
  • 精神的なストレスは自律神経の乱れを引き起こし、筋肉の緊張を高めてしまう。
• 内臓の不調
  • 胃腸や腎臓の不調が原因で、腰の筋肉が硬直しやすくなる（内臓体性反射）。
• ホルモンバランスの乱れ
  • 女性は月経周期や妊娠、更年期の影響でホルモンバランスが変化し、腰の痛みが出やすくなる。

内科的な要因

ぎっくり腰は、一度発症すると繰り返しやすい傾向があります。

• 過去にぎっくり腰を経験している
  • 一度傷ついた筋肉や靭帯は完全に回復しづらく、再発のリスクが高い。
• 根本的な原因が解決されていない
  • 姿勢の悪さ、運動不足、筋力低下などが改善されないままでは、何度もぎっくり腰を繰り返す。
• 適切な治療を受けていない
  • 放置すると腰の可動域が狭くなり、別の部位に負担がかかるため、慢性腰痛に移行することもある。